潰瘍性大腸炎のくすり:S1P受容体調節剤とは?

4月から長期処方可能となった潰瘍性大腸炎のくすり:S1P受容体調節剤とは?

昨年、潰瘍性大腸炎の治療に新しく登場したS1P受容体調節剤は、これまでの薬とは異なる作用を持つお薬です。体の中にはリンパ球という免疫細胞があり、炎症を引き起こす原因になります。この薬は、リンパ球がリンパ節から血液中に出ていくのを抑えることで、腸に集まる炎症のもとを減らします。
これまでの治療では注射や点滴の薬も多くありましたが、S1P製剤は内服で治療できる点が大きな特徴です。中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対して使用されることが多く、これまでの治療で効果が不十分だった方にも新たな選択肢となっています。

新薬は2週間ずつしか処方できないという制限がありますが、S1P受容体調節剤であるゼポジア®️がこの4月から長期処方が解禁されましたので今後処方となられる方も多くなるかと思います。

これまでの薬と同様にS1P受容体調節剤にも利点、欠点がありますので全ての方で使用できるわけではありません。
※クローン病の方では現在適応の薬ではありません。

この記事を書いた人

橋本 悠
橋本 悠医療法人石井会 石井病院
【資格・所属】
日本炎症性腸疾患学会専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
医学博士

炎症性腸疾患に関する研究や論文を多数執筆。
2017年より横浜市立大学附属市民総合医療センター IBDセンターで診療・研究に従事。
2019年に地元・群馬へ戻り、炎症性腸疾患チームのリーダーとして診療を継続。
2025年より石井病院にてIBD診療を担当し、2027年には県内初となるIBD専門外来を開設予定。