内視鏡で寛解なのにお腹が痛い? 過敏性腸症候群について

内視鏡で寛解なのにお腹が痛い?

炎症性腸疾患(IBD)では、内視鏡で粘膜がきれい=寛解と判断されても、腹痛や下痢などの症状が残ることがあります。その代表的な原因の一つが、過敏性腸症候群(IBS)の併発です。

IBSは腸に明らかな炎症や潰瘍がないにもかかわらず、腸の動きや知覚が過敏になることで症状が出る病態です。IBD患者では寛解後も腸の神経が敏感な状態が続きやすく、軽いガスや蠕動でも痛みとして感じることがあります。

特徴として、食後の腹痛や排便での軽快、ストレスによる悪化などが挙げられます。一方で、症状だけでは再燃との区別が難しいため、便中カルプロテクチンや血液検査を用いた炎症の評価が重要です。

治療は抗炎症薬の強化ではなく、整腸薬や消化管運動調整薬、ストレスマネジメントなど、機能性症状に対するアプローチが中心となります。内視鏡所見と症状を切り分けて考えることが、適切な対応につながります。

過敏性腸症候群の対策:日常生活編

過敏性腸症候群(IBS)は、腸に炎症や潰瘍がないにもかかわらず、腹痛や下痢、便秘などを繰り返す病気ですが、日常生活を少し工夫することで症状が和らぐことがあります💡

まず大切なのは生活リズムを整えることです✨
睡眠不足や不規則な食事は腸の働きを乱しやすく、症状悪化につながります😣
きるだけ毎日同じ時間に寝起きし、朝食もなるべく食べるようにしましょう♪

またストレスは腸の動きに大きく影響します😥
脳と腸が強く関係しているため、疲れや緊張で腹痛や急な便意が起こることがあります🚽
軽い散歩や入浴、趣味の時間など、自分なりのリラックス方法を持つことも大切です😌

食事では、脂っこい物やアルコール、カフェインなどで症状が悪化する人もいます🍶何を食べると調子が悪くなるかを記録してみると、自分に合わない食品が見つかることがあります📓
最近では、お腹の不調を来しやすい食材や成分を指すFODMAPを避ける食事療法も注目されています💡

検査では異常がないのに症状がつらいと感じる方も多い病気ですが、決して気のせいではありません。無理をしすぎず症状とうまく付き合っていくことが大切です。

過敏性腸症候群の対策:おくすり編

過敏性腸症候群(IBS)の治療では腹痛が中心なのか、下痢や便秘が多いのかで選ぶ薬が変わります💡

腹痛やお腹の張りが気になる場合には、腸の動きを整えるトリメブチンマレイン酸塩(セレキノン®)や、腸のけいれんを抑えるブチルスコポラミン臭化物(ブスコパン®)が使われることがあります。特に差し込むようなお腹の痛みやトイレ前の痛みといった症状に役立つことがあります☺️

下痢と便秘を繰り返すタイプでは便の硬さを整えるポリカルボフィルカルシウム(ポリフル®、コロネル®)がよく使われてきました。ただし、現在はコロネル®もポリフル®も供給されておらず入手しづらい状況が続いています😢

下痢が多いタイプではロペラミド(ロペミン®)やラモセトロン(イリボー®)が使われることがあります。便秘が中心の場合は、酸化マグネシウム、ルビプロストン(アミティーザ®)、リナクロチド(リンゼス®)などが選択されます☺️

また、漢方薬が合う方もいます。お腹がゴロゴロして下痢しやすい方には五苓散、冷えや腹部膨満・便秘が気になる方には大建中湯、腹痛が中心の場合には桂枝加芍薬湯が使われることがあります。

IBSの薬は自分に合うものを探していく治療です。効き方には個人差があるため、症状の変化をみながら、医師と相談して調整していくことが大切です。

この記事を書いた人

橋本 悠
橋本 悠医療法人石井会 石井病院
【資格・所属】
日本炎症性腸疾患学会専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
医学博士

炎症性腸疾患に関する研究や論文を多数執筆。
2017年より横浜市立大学附属市民総合医療センター IBDセンターで診療・研究に従事。
2019年に地元・群馬へ戻り、炎症性腸疾患チームのリーダーとして診療を継続。
2025年より石井病院にてIBD診療を担当し、2027年には県内初となるIBD専門外来を開設予定。