IBDとかぜ薬💊
市販薬だから大丈夫と思う前に
風邪をひいたとき、ドラッグストアで手軽に買える風邪薬を使う方も多いと思います。しかし、炎症性腸疾患の方にとっては、風邪薬の選び方に注意が必要です。
市販の風邪薬には、解熱鎮痛薬、咳止め、鼻水を抑える成分などがいくつも含まれています。その中でも、解熱鎮痛成分(熱さまし+痛み止め)の一部は、腸の粘膜に負担をかけたり、症状を悪化させたりすることがあります。風邪を治したつもりが、下痢や腹痛が強くなったという相談も少なくありません。
具体的には”アセトアミノフェン”は比較的安全とされている一方で、”NSAIDs(ロキソプロフェンやイブプロフェンなど)”は避けた方が良いとされています。市販薬だから安全と思い込まず、どの薬がより自分に合っているのかを知ることが大切です。
また、炎症性腸疾患の治療として免疫力を下げる薬を使用している方はただの風邪が悪化してしまう場合もあります。心配なことがあれば遠慮なく主治医や医療機関にご相談ください。
次回は具体的の”腸にやさしい解熱鎮痛薬:アセトアミノフェン”についてより詳細な説明をしていきます。
腸にやさしい解熱鎮痛薬:アセトアミノフェン
アセトアミノフェンは、腸の粘膜を刺激しにくく、腸にやさしい解熱鎮痛薬として知られています。医療機関でも、炎症性腸疾患の方に使われることが多いお薬です。アセトアミノフェンはカロナール®️という名前で表示されていることもあります。
市販の風邪薬や痛み止めには、いくつかの成分が一緒に入っていることがあります。購入するときは、薬のパッケージや成分表示をよく確認し、「アセトアミノフェン(カロナール®️)」が含まれているかを見ることが大切です。たとえ薬の名前が一緒でも〇〇SにはNSAIDsが含まれ、〇〇Aにはアセトアミノフェンが含まれている、なんてこともあるため注意が必要です。どれを選べばよいか迷ったときは、薬剤師さんに相談してから購入すると安心です。
ただし、アセトアミノフェンも使いすぎると体に負担がかかることがあります。用量・用法を守り、症状が続く場合や不安があるときは、早めに医療機関へ相談しましょう。



避けた方が良い解熱鎮痛薬:NSAIDs
風邪や頭痛、関節痛などで使われる解熱鎮痛薬の中には、NSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる種類があります。代表的なものに、ロキソプロフェン、イブプロフェン、アスピリンなどがあります。
NSAIDsは炎症や痛みを抑える効果が高い一方で、腸の粘膜を傷つけやすいという特徴があります。そのため、潰瘍性大腸炎やクローン病の方では、再燃のきっかけになる可能性が指摘されています。特に、腹痛や下痢、血便が出やすくなることがあり、注意が必要です。
それでも、頭痛や関節痛などが強く、どうしてもNSAIDsを使わざるを得ない場面もあるかもしれません。そのような場合には、自己判断で使用せず、必ず主治医に相談したうえで、必要最小限にとどめることが大切です。

この記事を書いた人

- 医療法人石井会 石井病院
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【資格・所属】
日本炎症性腸疾患学会専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
医学博士
炎症性腸疾患に関する研究や論文を多数執筆。
2017年より横浜市立大学附属市民総合医療センター IBDセンターで診療・研究に従事。
2019年に地元・群馬へ戻り、炎症性腸疾患チームのリーダーとして診療を継続。
2025年より石井病院にてIBD診療を担当し、2027年には県内初となるIBD専門外来を開設予定。
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